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解決事例

法人役員につき休業損害・逸失利益を含め800万円超を獲得した事例

2026.10.01 右膝高原骨折骨折、右足関節内果解放骨折 併合12級
             
被害者 70代 男性
後遺障害等級 併合12級
受傷部位 下肢(足・ひざ・股関節)
被害内容 右膝高原骨折骨折、右足関節内果解放骨折
獲得額合計(自賠責保険金+解決金)
サポート前サポート後
提示なし約804万円

1ご相談内容

本件は、ご依頼者の奥様からお問い合わせをいただいたことをきっかけに、ご依頼を受けた交通事故の案件です。

事故が発生したのは、ドラッグストアの駐車場内でした。旦那様が車から降り、駐車場内を歩いていたところ、同じ駐車場内を走行していた車に足をひかれ、右足を骨折する大きな怪我を負われました。

ご相談いただいた時点では、まだ治療中であり、事故からそれほど時間が経過していない初期の段階でした。しかし、骨折の程度が重く、今後も足の関節に障害が残る可能性が高い状況でした。そのため、ご家族は、今後どの程度まで回復するのか、十分な治療を受けられるのか、後遺障害が残った場合に適切な補償を受けられるのかなど、さまざまな不安を抱えていました。

そこで、ご依頼者には治療に専念していただきながら、治療費や交通費の請求、後遺障害等級の申請、治療終了後の示談交渉まで、一連の手続を弊所が継続してサポートすることとなりました。

2サポートの流れ

ご依頼後、治療中はご依頼者の身体の回復を第一に考え、基本的には治療に専念していただきました。一方で、治療を続ける中では、治療費のほか、通院のための交通費など、事故に伴うさまざまな費用が発生します。そこで、ご依頼者には、これらの費用に関する領収書や資料を1か月に1回程度の頻度でまとめて弊所へお送りいただき、弊所から相手方保険会社に対して請求するという対応を続けました。

このような方法により、ご依頼者やご家族がその都度相手方保険会社とやり取りをする負担を軽減し、治療に集中できる環境を整えました。この対応は、約1年間にわたる治療期間中、継続して行いました。ご依頼者は約1年間にわたって治療を続けましたが、右足関節、いわゆる右足のくるぶし付近に開放骨折を負っていたため、治療後も関節の動きに制限が残りました。交通事故によるけがについては、治療を続けても症状が十分に改善せず、身体の機能に支障が残った場合、後遺障害として適切な評価を受けられるかどうかが、その後の補償額を大きく左右します。

そこで弊所では、ご依頼者に残った右足関節の症状について、適切な後遺障害等級の認定を受けることを目指し、後遺障害等級の申請を行いました。

その結果、右足関節に機能障害が残ったものとして、後遺障害等級12級の認定を受けることができました。その後は、この後遺障害等級の認定結果を前提として、休業損害や後遺障害逸失利益などを含む損害賠償について、相手方保険会社との示談交渉を進めました。

3解決内容

示談交渉における主な争点は、休業損害の金額でした。

ご依頼者は、釣り船を経営する法人の役員でした。法人役員が交通事故によって休業した場合、役員報酬の全額をそのまま休業損害や後遺障害逸失利益の計算に用いることができるとは限りません。法人役員の役員報酬には、本人が実際に働いたことに対する報酬である「労働の対価に相当する部分」と、会社の利益配当などに近い性質を持つ「配当的な部分」が含まれていることがあるためです。

このうち、交通事故によって働けなくなったことによる損害として補償の対象となるのは、主として労働の対価に相当する部分です。そのため、役員報酬のうち、どの程度を本人の労働の対価として評価するのかが、休業損害や後遺障害逸失利益の金額を算定するうえで重要な争点となります。法人役員の労働対価部分については、裁判例上、役員報酬の50%から80%程度と認定されることが多く、具体的な割合は、本人の役職名だけではなく、会社における実際の業務内容や売上への貢献の程度などを踏まえて判断されます。

本件のご依頼者は、単に法人の役員という立場にあっただけではありません。釣り船を経営する法人において、実際に船長として釣り船に乗船し、その業務によって会社の売上を上げていました。つまり、ご依頼者自身が現場で働くことが、法人の事業運営や売上に直接結び付いていたという事情がありました。

弊所では、このような実際の勤務状況や会社への貢献を踏まえ、役員報酬に占める労働対価部分を、想定される範囲の中でも最大限となる80%として評価すべきであると主張しました。その結果、相手方にも労働対価部分を80%とする弊所の主張を認めさせることができました。これにより、休業損害や後遺障害逸失利益の算定に用いる基礎収入について、ご依頼者にとって有利な内容で交渉を進めることができました。

最終的には、後遺障害等級12級の認定を前提として、自賠責保険金と相手方保険会社から支払われる賠償金を合わせ、800万円以上の賠償金を獲得することができました。

4所感(担当弁護士 小林玲生起より)

本件では、事故後の治療初期の段階からご相談、ご依頼いただいたことが、適切な解決につながった大きな要因でした。

骨折などの大きなけがを負った場合、治療を続けても関節の動きに制限が残るなど、後遺障害が生じる可能性があります。後遺障害について適切な等級認定を受けるためには、治療経過や残存した症状を踏まえて、必要な手続を進めていくことが重要です。

また、本件のようにご依頼者が法人役員である場合には、休業損害や後遺障害逸失利益を算定する際、役員報酬のうち、どの程度が本人の労働の対価にあたるのかが問題となります。役員という肩書だけではなく、実際にどのような仕事を担当していたのか、その仕事が会社の売上にどの程度結び付いていたのかを具体的に示す必要があります。

本件では、早い段階からご依頼いただいたことにより、後の示談交渉で争点となることが予想された休業損害や後遺障害逸失利益について、実際の業務内容や売上への貢献を示すための資料、証拠を適切に確保しながら対応することができました。そのことが、労働対価部分を80%と評価させ、十分な賠償額を獲得する結果につながりました。
さらに、ご依頼者は自動車保険の弁護士費用特約に加入していたため、弁護士費用の自己負担を過度に心配することなく、事故の初期段階から依頼することができました。

骨折などを伴う重大な交通事故では、治療が終了してから初めて弁護士へ相談するのではなく、治療中の早い段階から相談することが重要です。早期にご相談いただくことで、治療費や交通費の請求に関する負担を軽減できるだけでなく、後遺障害等級の申請や、その後の休業損害、後遺障害逸失利益をめぐる交渉を見据えて、必要な資料や証拠を準備することができます。

今後の治療や補償、後遺障害の申請に不安がある場合には、できるだけ早い段階で弁護士へ相談することをお勧めします。

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