解決事例
高次脳機能障害・脊柱運動障害に対して、約5000万円を獲得できた事案
被害者 | 60代 男性 | |||||
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後遺障害等級 | 併合 3級 | |||||
受傷部位 | 頭部 | |||||
被害内容 | 脳外傷、高次脳機能障害、右頚部・肩部挫滅創、頚部回旋障害、脊柱の運動障害 | |||||
獲得額合計(自賠責保険金+解決金) |
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1ご相談内容
事故から3週間程度が経過し、息子さんからのご相談でした。
山道をバイクで走行中に、センターオーバーしてきたバスに衝突された事故でした。相手方保険会社は被害者のバイクもセンター寄りであったことを捉え、過失割合50:50を主張してきました。それに対し、きちんとした対応を見込めず、補償についての不安もあるとのことで、ご依頼をいただきました。
2サポートの流れ
脳に損傷を負っている診断名であること・重めの意識障害が10日以上続いていたことから、最も心配されたのは高次脳機能障害の残存でした。
そこで、早期に高次脳機能障害の専門病院へ通院することをお勧めし、実際に入通院していただきました。事故から1年半程度治療していましたが、首を回旋させにくいという後遺障害の他に、ATMで送金操作ができない・自分の見たいテレビ番組をレコーダーに録画できない・人とのやり取りでニュアンスが読み取れない・字句通りに受け取るなどの高次脳機能障害が残ってしまいました。
当事務所では、高次脳機能障害の方は、ご家族に事故前と異なる被害者の様子をなるべく細かく記録しておくことをお願いしています。本件でも、それに基づいて事故前と異なる性格・言動・能力などを当事務所が文章にまとめて、自賠責に提出しました。
その結果、高次脳機能障害で5級・頚部回旋障害に基づく脊柱の運動障害で8級の併合3級が認定されました。認定内容を相手方に通知したところ、当初から示談交渉を拒否してきたので、やむ終えず民事訴訟での解決を目指すことになりました。
3解決内容
裁判での争点は主に、過失割合と後遺障害等級でした。
過失割合については、相手方(バス)に搭載されていたドライブレコーダーを開示してみたところ、バスはセンターラインから90cm以上をオーバーしていることは明らかでしたが、一方で、当方(バイク)もセンターラインギリギリを走行していたことも明らかでした。
一般的にセンターラインオーバーの過失割合は100:0ですが、諸事情によりこれが修正されることがあります。本件では、当方がセンターラインに近かったということは動かしがたい事実だったので、25:75の和解で進めることとしました。
後遺障害等級については、相手方が高次脳機能障害について、9級程度であると主張をしてきました。当方からすれば、高次脳機能障害は5級であることは譲れないという思いがありましたが、本件事故とは全くの別原因で被害者自身が亡くなってしまったこと・治療中の病院にご家族が不利な事実を言ってしまっていてカルテにその旨を記載されているなどの事情があり、これに対する判決のリスクなどを考えた結果、高次脳機能障害7級・脊柱運動障害8級の併合5級を前提に和解を進めることとしました。
4所感(担当弁護士より)
本件では、文字に書き残しにくい事情もいろいろあり、判決まで至るのか、それとも和解で解決するのか、非常に悩んだ案件でした。
和解の内容は、当方が「完全に納得!」とは言い切れないものでした。しかし、過失割合や後遺障害等級について、裁判官が懸念を示した点に対し当方が有利に立証することは極めて困難であったことに加え、判決・控訴にまで至った場合に依頼者に掛かる負担やリスクが大きいと思われました。そういった点を複数回に渡って、丁寧に依頼者に説明した結果、上記内容での早期和解を見い出すことにしました。
このように、重大な事故になればなるほど、考慮しなければいけないことが多く、解決の見通しも極めて難しいものとなる中で、人生の分かれ目となる判断を迫られる場面が多々あります。そのため、重大事故であればあるほど、交通事故に詳しい弁護士に早期にご相談いただくことをお勧めしております。
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